今回は、部下の育成(もっと柔らかく言えば、部下とどのように接すれば、気持ちよく仕事をしてくれて成長してもらえるか)について、たくさんのヒントをもらえる本です。部下の育成というと、どうしても、「教える」「指導する」ことをイメージしがちですが、本書は「考えてもらう」を軸に書かれています。では早速紹介していきましょう。
本書は、「上司1年生の教科書」との副題が付けられている通り、今まで1プレーヤーだった人が、部下を持ち、人材育成にも気を配りつつ仕事を遂行していく方法についてヒントをくれる内容となっています。具体例を紹介しながら、詳しく説明してくれているので、すぐにでも実践できます。部下育成を「指導」と考えている方にとっては、こんな方法で本当にいいのか?と疑問に思うかもしれませんが、私は本書を読んで、とても納得しました。私自身が部下の立場であったときに、こういった関わり方をしてくれる上司がいてくれたら・・・・とないものねだりをしてしまいました。
まずこの本で衝撃を受けたのは、「上司は必ずしも部下よりも優秀である必要はない」ということです。周りを見渡すと、上司はみんなとても優秀で、仕事をテキパキこなす方ばかりではないでしょうか。でも筆者は、上司が優秀であることと、部下育成スキルに長けているかは別であると述べています。優秀であるがゆえに、部下ができないことに寄り添うことが難しかったり、その人に合わせたハードル設定が難しいという状況が起き得てしまうからです。そういった観点から、「部下育成」を考えたときに、筆者が至った結論に対して、納得しかありませんでした。部下のことを「指示まち人間」と嘆く前に上司が部下にできることは何か、必ず本書にその答えがあります。
・はじめて部下を持つことになり、部下育成について関心を持っている人
・部下育成の経験はあるが、もっと良い方法はないのかと悩んでいる人
・今後部下を持つ前に、上司としてあるべき姿をイメージしておきたい人
はじめて部下をもつ人にとってはバイブルとも言える本になるでしょうし、これまで部下育成をたくさん経験されてきた人にとっても、改めて部下との関わり方を考え直すきっかになる本になると思います。
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